年齢を重ねるごとに、「物忘れが多くなった」「集中力が続かない」「やる気が出ない」など、脳の衰えを感じることはありませんか?
それ、もしかすると“脳の老化”が始まっているサインかもしれません。
ですが、あきらめるのはまだ早い!
最新の研究では、「体を動かすこと」が脳の老化を防ぐ最も有効な手段のひとつであることが分かってきています。
この記事では、「なぜ体を動かすことで脳が若返るのか?」という理由と、今日からできる実践法について詳しく解説します。
なぜ脳は老化するのか?
脳の老化は自然なプロセスです。
加齢とともに脳の神経細胞(ニューロン)は減少し、情報を処理するスピードや記憶力が少しずつ低下していきます。
さらに、加齢によって以下のような変化も起こります:
・血流の低下:脳に運ばれる酸素や栄養が減少し、機能が低下
・神経伝達物質の減少:やる気や感情をつかさどる物質(ドーパミン、セロトニンなど)が不足
・炎症の慢性化:脳内の軽度な炎症が続き、神経の働きを妨げる
つまり、脳の老化は「使わないこと」「循環の悪化」「神経の連携不足」が引き金になるのです。
「脳を使う」だけでは不十分?
「クロスワードやパズルで脳を鍛えているから大丈夫」
「読書をして知識を増やしている」
もちろんこれらも大切です。ですが、“体を動かすこと”こそが、脳の若返りには不可欠なのです。
その理由は、体を動かすことで次のような脳内の変化が起こるからです:
1・脳の血流が増える
ウォーキングやストレッチなどの軽い運動をすることで、脳への血流が増え、酸素や栄養が十分に届くようになります。これが「神経細胞の栄養」となり、機能維持に直結します。
2・脳の“可塑性”が高まる
体を動かすことで、**BDNF(脳由来神経栄養因子)**という物質が分泌されます。この物質は、神経細胞の新生や再生を促し、記憶力・学習能力を高める働きがあります。
3・メンタルが安定する
運動すると「セロトニン」や「ドーパミン」などの幸せホルモンが分泌され、気分が安定しやすくなります。これは、うつ予防やストレス軽減にも効果的。脳の健康には精神の安定も欠かせません。
どんな運動が「脳」に効くの?
では、脳の老化を防ぐためにはどのような運動が効果的なのでしょうか?
◆ウォーキング(有酸素運動)
最も手軽で効果的。
1日20〜30分、少し息が弾む程度の速さで歩くだけで、脳の血流が増え、BDNFの分泌が促されます。
◆リズム運動
ンスやエアロビのように、リズムに合わせて体を動かす運動は、脳の「前頭前野」(思考・判断をつかさどる部分)を活性化します。
ポイントは、「考えながら体を動かす」こと。
ステップを覚えたり、バランスを取ったりすることで、脳が複数の情報を処理する訓練になります。
◆ストレッチやヨガ
柔軟性を高める運動も脳には有効です。
深い呼吸とともに行うことで、副交感神経が優位になり、リラックス効果も抜群。
「ストレスを減らす」という意味で、脳にとって非常に良い刺激になります。
「脳トレ+運動」の組み合わせが最強!
運動中にちょっとした「脳トレ」を加えると、さらに効果はアップします。
たとえば…
・ウォーキングしながらしりとりをする
・ステップ運動を左右交互にリズムよく行う
・足踏みしながら数字を3ずつ数える(3、6、9…)
こうした「体と頭を同時に使う」ことで、脳の前頭葉や海馬といった重要なエリアがより強く刺激され、記憶力や注意力の向上が期待できます。
体が動けば、心も動く。脳も若返る
運動を始めると、「やる気が出てきた」「気分が明るくなった」「前より物覚えが良くなった気がする」といった変化を感じる方が多くいます。
これは脳の神経回路が活性化してきた証拠です。
しかも、運動の効果は“その日から”現れます。
たとえ5分のウォーキングでも、血流が上がり、脳への刺激は即座に届くのです。
今日から始める脳活性の習慣
最後に、脳の老化を防ぐための「今日からできる3つの習慣」をご紹介します。
1. 朝の散歩を日課にする
朝の光を浴びながら20分のウォーキング。
脳を目覚めさせ、1日のパフォーマンスを高めます。
2. 家事を「運動」として意識する
洗濯、掃除、買い物…これらも立派な運動です。
「ながら運動」として楽しみながら体を動かしましょう。
3. 運動後は頭を使う活動を
体を動かしたあとは脳が活性化しています。
読書、日記、勉強など、知的な活動を取り入れると効果倍増です。
まとめ
年を取ったからといって、脳が衰えるのを黙って見ている必要はありません。
「体を動かすこと」こそが、脳の老化を防ぐ最大の鍵なのです。
日常に少しだけ運動を取り入れることで、脳も心も若々しく保つことができます。
まずは1日5分、歩くことから始めてみませんか?
脳は「使い方」で何歳からでも変われます。
その第一歩が「体を動かすこと」――今日から、あなたもぜひ始めてみてくださいね。
■参考文献
2・John Ratey著『脳を鍛えるには運動しかない』NHK出版
原題 “Spark: The Revolutionary New Science of Exercise and the Brain”
運動が脳に与える影響を科学的に解説した名著。BDNFやドーパミン分泌の仕組みに言及。
3・世界保健機関(WHO)「Physical activity」
4・池谷裕二著『進化しすぎた脳』講談社ブルーバックス
脳科学者による分かりやすい脳のしくみ解説本。神経可塑性(ニューロンの再編成)についても言及。
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