間違った歩き方が膝を壊す!?正しい歩き方のポイントとは

「最近、歩くと膝が痛む気がする」「特に運動もしていないのに膝が腫れてきた」――そんなお悩み、実は“歩き方”が原因かもしれません。

膝の痛みと聞くと、加齢や体重の増加、運動不足などが思い浮かぶかもしれませんが、日常の何気ない歩き方が、実は膝の負担を増大させているケースが非常に多いのです。

この記事では整体師の視点から、膝を壊す間違った歩き方と、膝にやさしい正しい歩き方のポイントを詳しく解説していきます。

間違った歩き方が膝に与える悪影響とは?

膝は構造的にとても繊細な関節

膝関節は大腿骨(もも)、脛骨(すね)、膝蓋骨(膝のお皿)で構成されています。筋肉や靭帯、半月板がバランスよく働くことでスムーズな動きを実現しています。しかし、歩き方のバランスが崩れると、この繊細なバランスが乱れ、摩擦や炎症が起こりやすくなるのです。

間違った歩き方の例

以下のような歩き方をしている人は要注意です。

すり足歩行:膝の曲げ伸ばしが少なく、関節が固まりやすい。

がに股歩き:膝が外側に流れ、内側の関節がすり減りやすい。

内股歩き:X脚のような負荷がかかり、膝の外側にストレスがかかる。

ペタペタ歩き(足裏全体をドンと着地):衝撃吸収がうまくいかず、膝にダイレクトな負担がかかる。

体を前傾させて歩く:太もも前面の筋肉(大腿四頭筋)ばかり使い、膝蓋骨に圧力がかかる。

これらの歩き方は、変形性膝関節症や関節炎、半月板損傷などのリスクを高める可能性があります。

 

膝を壊さないために!正しい歩き方の基本

正しい歩き方の3つのポイント

膝への負担を最小限に抑えるためには、以下の3つのポイントを意識しましょう。

 

ポイント①:姿勢を整える

・頭のてっぺんから糸で引っ張られているようなイメージで背筋を伸ばす。

・骨盤を立て、腹筋・背筋で体幹を支える。

・顎は軽く引く。

▶姿勢を整えることで、膝だけでなく、腰や首への負担も軽減します。

ポイント②:膝を伸ばしすぎない

・一歩ごとに膝をピーンと伸ばして歩くと、逆に関節への負荷が強くなります。

・少し余裕を持った柔らかい膝使いが理想です。

ポイント③:大股すぎず、小股すぎず

・歩幅が狭すぎると筋力を使えず、膝への負担が集中します。

・逆に大股すぎると太もも前面ばかりが張って膝が痛くなることも。

・「自分の肩幅程度の自然な歩幅」を心がけましょう。

膝を守る歩き方のために大切な体づくり

体幹の安定がカギ

体幹(腹筋・背筋)がしっかり働いていると、バランスを崩しにくくなり、膝への無駄な負担が減ります。

おすすめエクササイズ:

・プランク

・ドローイン

・骨盤の前後スイング

股関節と足首の柔軟性を確保しよう

股関節や足首が硬いと、膝がその分まで無理をして動こうとし、負担が集中してしまいます。

ストレッチ習慣を取り入れましょう:

・太もも裏のストレッチ(ハムストリングス)

・ふくらはぎのストレッチ

・股関節周り(腸腰筋・内転筋)のストレッチ

整体師が教えるセルフチェック&改善法

間違った歩き方セルフチェック

鏡の前で以下をチェックしてみましょう。

・歩いたときに膝が内側や外側に入っていないか?

・腕の振りが足と連動しているか?

・靴の外側/内側どちらかが極端にすり減っていないか?

どれかに当てはまる方は、歩き方の改善が必要です。

改善トレーニング

整体師としておすすめする簡単トレーニングを紹介します。

■足指グーパー運動(浮き指対策)

・床に足をつけたまま、足指を「グー・パー」と繰り返す

・10回×3セット/1日

▶足のアーチ機能を取り戻し、正しい重心移動がしやすくなります。

■チューブウォーキング(股関節と膝の安定性UP)

・膝上にゴムバンドを巻いて、横歩きを10歩ずつ

・膝が内側に入らないよう注意

▶お尻の筋肉を鍛え、膝の内側へのねじれを防ぎます。

歩き方のクセは早めに見直すのが吉

人は誰でも「自分のクセ」に無自覚です。

若いうちは体がそれを補ってくれますが、40代以降になると、徐々に膝の痛みとして現れることもあります。

さらに、膝の痛みがあることで運動量が減り、筋力低下→さらに膝が悪化する…という悪循環に陥るケースも。

歩き方は一生使う動作だからこそ、早いうちに見直しておくことが、生涯健康の第一歩です。

まとめ:今日からできる「正しい一歩」を意識しよう

膝の痛みや違和感は、単なる加齢のせいではありません。日常の積み重ね、とくに歩き方のクセが大きく関係しているケースが多いのです。

  • まずは自分の歩き方を見直す。

  • そして、体幹や足の柔軟性を整える。

  • 必要に応じて整体院で身体の使い方をチェックしてもらう。

膝を守る歩き方は、今日からすぐに意識できます。

あなたの一歩が、未来の健康をつくります。正しい歩き方を身につけて、痛みのない毎日を歩いていきましょう。

参考文献・引用

日本整形外科学会「変形性膝関節症の診断と治療」

厚生労働省「健康日本21:運動と関節の健康」

「膝の痛みとその原因」理学療法ジャーナル、Vol.52, No.1

NHK「ためしてガッテン」歩き方特集(アーカイブ)

てて整体所