変形性膝関節症の初期症状とは?見逃しやすいサイン5つ

膝の違和感、階段の昇り降りのしづらさ、なんとなく感じる重だるさ……。
それはもしかすると、変形性膝関節症(へんけいせい・しつかんせつしょう)の初期症状かもしれません。

変形性膝関節症は、進行すると日常生活に大きな支障をきたす病気です。しかし、初期段階では痛みも軽く、我慢できるレベルのことが多いため、気づかないまま症状を進行させてしまう人がとても多いのです。

この記事では、整体師の視点から「変形性膝関節症の見逃しやすい初期サイン」について、わかりやすく解説していきます。

そもそも変形性膝関節症とは?

変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減り、関節に炎症や変形が生じる疾患です。主に中高年の女性に多く、特に50代以降で発症する方が増えます。

原因は加齢や体重増加、過去のケガ、O脚などが関与するとされており、症状はゆっくりと進行していきます。

進行すると、歩行困難、外出の制限、ひざの変形など、生活の質(QOL)を大きく損なう可能性もあります。

だからこそ、初期のサインを見逃さないことがカギとなります。

見逃しやすい!初期症状のサイン5つ

1・朝起きたときの「こわばり」や違和感

一番初めに現れるのがこの症状です。

朝、布団から起き上がるときに「なんとなく膝が動かしにくい」「ガチッと硬い感じがする」という感覚。これは、関節の滑膜という部分が軽く炎症を起こしていたり、関節液が減って動きが鈍くなっているサインです。

ポイント:

・日中は普通に動けることが多いため見逃しやすい

・数分で改善するため「年のせいかな」と流してしまう

整体師の一言:

朝のこわばりは関節の状態を示す重要なサインです。「一晩寝たのにスッキリしない膝」があるなら要注意です。

2・階段の「下り」でズキッと痛む

上りよりも、下りの階段で膝が痛む場合は特に注意。

これは、膝にかかる負担が増えた結果、関節軟骨がスムーズに働いていない可能性が高いです。関節のクッション機能が衰え、骨と骨が軽く擦れているかもしれません。

ポイント:

・下りで膝の内側に痛みが出る

・踏ん張ったときに違和感がある

・片足に体重を乗せるのがつらい

整体師の一言:

日常で“片脚にぐっと体重をかける動き”に反応する痛みは、変形性膝関節症の初期によく見られます。体重が増え気味の方は特に注意しましょう。

3・ 立ち上がるときに「ピキッ」「ギシギシ」

椅子や床から立ち上がるときに、膝の内側でピキッとした鋭い痛みや、ギシギシした感覚があることも要注意。この症状は、「軟骨の摩耗が始まり、関節内の滑らかさが失われつつある」というサインかもしれません。

ポイント:

・立ち上がり動作で一瞬痛いが、その後は動ける

・正座からの立ち上がりで強く感じる

・椅子から立つときに「よいしょ」が必要になってきた

整体師の一言:

関節の“摩耗”は、体の使い方・姿勢・筋力低下などが複雑に絡みます。痛みを感じたら、無理せず早めにケアを。

4・ 膝が「ポキポキ」「ミシミシ」鳴る

関節が鳴ること自体は異常ではありませんが、頻度が増えたり、音が大きくなったりしたら要注意です。特に「動かしたときにミシミシ」「鳴った後に痛む」「腫れた感じがある」などが加わると、炎症や摩耗の進行が考えられます。

ポイント:

・何度も同じ動作で鳴る

・音と一緒に痛みや不快感を伴う

・鳴る側の膝だけ違和感がある

整体師の一言:

音の正体は関節のガス抜きや摩擦。ですが、左右差や炎症の兆候がある場合は検査・評価が必要です。

5・ 膝に「なんとなく違和感」や「重だるさ」が続く

明確な痛みがなくても、「重だるい」「曲げ伸ばしがスムーズじゃない」「しゃがみにくい」といった、なんとなくの不調が続くのも初期症状のひとつです。「気のせいかな」と流しやすいですが、ここで対応すれば、進行を食い止められる可能性が高いです。

ポイント:

・正座が少し苦手になってきた

・しゃがむと膝裏がつっぱる

・歩いた後に膝がだるくなる

整体師の一言:

関節は“違和感”の段階でケアするのがベストタイミング。無理せず相談できる環境を持つことが大切です。

なぜ女性に多い?変形性膝関節症とホルモンの関係

特に50代以降の女性に変形性膝関節症が多い理由のひとつが、「女性ホルモンの減少」です。女性ホルモン(エストロゲン)には、骨や関節、筋肉を守る作用があるとされており、閉経後はその保護作用が弱まるため、関節が傷みやすくなります。加えて、筋力の低下や代謝の変化、姿勢の崩れなども影響しやすいため、更年期以降の女性は特に腸・筋肉・関節のケアが重要です。

初期症状を感じたときにやるべき3つの対策

1. 体重を減らす(関節の負担を軽減)

体重1kgの増加で、膝には3〜5kg分の負荷がかかるといわれています。無理のない範囲での体重管理は、膝の大きな味方。

2. 太もも(大腿四頭筋)を鍛える

膝関節を守るクッションとなるのが太ももの筋肉。椅子に座って脚を伸ばす「膝伸ばし運動」などがおすすめです。

3. 温める&動かす(関節の循環を促す)

朝や入浴時に膝をやさしく温め、軽いストレッチやウォーキングを行うことで、関節液の流れが良くなり痛みの軽減につながります。

まとめ:膝の違和感は「はじまりのサイン」かも

変形性膝関節症の初期症状は、痛みが軽く、つい我慢してしまいがち。
しかし、違和感の段階で対処することで、進行を大きく抑えることができます。

見逃しやすい初期サイン5つをもう一度振り返りましょう:

  1. 朝のこわばり

  2. 階段の下りでの痛み

  3. 立ち上がり時の違和感

  4. 関節のポキポキ音

  5. なんとなくの重だるさ

「まだ大丈夫」と思わず、今からできるケアをはじめることが、5年後・10年後の健康な膝を守る第一歩です。

てて整体所