年齢を重ねるとともに現れやすい「五十肩(肩関節周囲炎)」。
夜も眠れないほどの痛みや、腕が上がらない、背中に手が回らないといった不便さに悩まされる方は少なくありません。
整体やストレッチ、温熱療法などのケアも重要ですが、実は“毎日の食事”が回復を左右することをご存知ですか?
本記事では、整体師の視点から、五十肩の改善・予防に役立つ「栄養素」に焦点をあて、今日から取り入れられる食事の工夫を詳しくご紹介します。
第1章:五十肩とは?~なぜ起きるのか
五十肩は、40代後半〜60代に多く見られる肩関節の炎症性疾患で、正式には肩関節周囲炎と呼ばれます。
主な症状は以下の通りです:
・肩の痛み(特に夜間痛)
・腕が上がらない
・後ろに手が回らない(結髪動作・結帯動作の困難)
・着替えや洗髪が困難になる
主な原因
・加齢による筋肉・腱の柔軟性低下
・血流の悪化
・炎症反応
・ホルモンバランスの乱れ(特に女性)
これらの要因が複雑に絡み合い、肩関節周囲の筋肉や腱、滑液包に炎症が起こり、痛みと可動域制限が発生します。
第2章:食事が五十肩に与える影響
五十肩の主な原因のひとつは炎症です。
つまり、体の中で「炎症を鎮める栄養素」をしっかり摂ることで、回復を早めたり、悪化を防いだりすることが可能になります。
また、関節や筋肉の修復に必要な「タンパク質」や、「血流を促進する栄養素」も非常に重要。
内側からのケア=栄養素補給を行うことで、整体や運動の効果も高まりやすくなるのです。
第3章:五十肩におすすめの栄養素5選
では、具体的にどのような栄養素が五十肩の改善に役立つのでしょうか。以下に厳選して5つご紹介します。
1. オメガ3脂肪酸(抗炎症作用)
効果:
・強力な抗炎症作用があり、肩関節の炎症を抑える
・血液をサラサラにして血流を改善
含まれる食品:
・青魚(サバ、イワシ、サンマなど)
・アマニ油、エゴマ油
・くるみ
食べ方のポイント:
焼き魚だけでなく、刺身や缶詰、煮付けなどでもOK。週2〜3回の青魚摂取が理想です。
2. ビタミンC(コラーゲン合成&抗酸化)
効果:
・炎症部位の修復を助ける
・腱や靱帯の健康を維持
・免疫力アップで回復力を高める
含まれる食品:
・ブロッコリー
・パプリカ
・キウイ、イチゴ、柑橘類
食べ方のポイント:
ビタミンCは熱に弱いので、生で食べるか、蒸す調理法が◎。
3. ビタミンE(血流改善&抗酸化)
効果:
・血流を改善し、痛みをやわらげる
・細胞の老化を防ぐ
含まれる食品:
・アーモンドなどのナッツ類
・アボカド
・かぼちゃ
食べ方のポイント:
脂溶性ビタミンなので、油と一緒に摂ると吸収率アップ。サラダにアボカドとナッツをトッピングするのがおすすめ。
4. タンパク質(筋肉・腱の修復)
効果:
・炎症により傷ついた組織を修復
・筋肉の再構築をサポート
含まれる食品:
・鶏むね肉、卵、魚、大豆製品(豆腐、納豆、味噌)
・ギリシャヨーグルト
食べ方のポイント:
1日あたり体重×1.2~1.5gのたんぱく質摂取が目安。高齢期では意識して多めに摂ると効果的。
5. マグネシウム(筋肉の緊張緩和)
効果:
・筋肉のこわばりを和らげる
・神経の興奮を抑えて睡眠の質を高める(夜間痛の対策に◎)
含まれる食品:
・ひじき、わかめなどの海藻類
・納豆、枝豆
・玄米、そば
食べ方のポイント:
精製度の低い食品(全粒穀物など)を選ぶことで効率よくマグネシウムを摂取できます。
第4章:避けたい食習慣&炎症を悪化させる食品
逆に、五十肩の悪化につながる“炎症を促進させる食習慣”もあります。以下のようなものには注意が必要です。
1. 加工食品・ファストフード
・トランス脂肪酸や添加物が炎症を促進
・油の質が悪く、血流も悪化しやすい
2. 白砂糖・スイーツのとりすぎ
・血糖値の急上昇が炎症を誘発
・体の糖化が進み、腱や靱帯の硬化に
3. アルコールの過剰摂取
・肝機能の低下により代謝が落ち、修復が遅れる
食事のバランスが大切ですので、「完全にやめる」ではなく、「摂りすぎないこと」が重要です。
第5章:今日からできる!食事改善の実践例
ここでは、五十肩のケアを目的とした食事例をご紹介します。
■朝食
納豆+卵+玄米ごはん
わかめと豆腐の味噌汁
キウイ or みかん
緑茶
■昼食
鯖の塩焼き or サバ缶+野菜炒め
ブロッコリーとパプリカのサラダ
玄米 or そば
■夕食
鶏むね肉のグリル(オリーブオイル使用)
アボカドとトマトのサラダ(ナッツ添え)
ひじきの煮物
味噌汁(ほうれん草など)
※間食にはクルミやアーモンド、ギリシャヨーグルトがおすすめです。
第6章:まとめ 〜食事は“内側の整体”〜
五十肩の原因の多くは「体の内外の炎症」と「血流の悪化」です。
整体やストレッチで外から整えるのも大切ですが、**食事という“内側からの整体”**を取り入れることで、より根本的な回復が見込めます。
痛みのある今こそ、食事を見直すタイミングです。
今日の食事から少しずつ、炎症を抑える食材を意識してみてくださいね。
参考文献
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」
・日本整形外科学会「五十肩(肩関節周囲炎)の治療ガイドライン」
・日本臨床栄養学会「炎症と栄養」
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