【五十肩】夜中に疼く痛みの原因と対処法

夜中、肩の痛みで目が覚める…。
寝返りのたびに「うっ」とうめき声が出てしまう…。
そんな「夜中の五十肩の痛み」にお悩みではありませんか?

五十肩(肩関節周囲炎)は、40代後半〜60代の多くの方が経験する可能性のある「加齢性の肩の炎症」ですが、中でも「夜間痛(やかんつう)」は心身の疲労を蓄積させ、生活の質を大きく下げる要因となります。

本記事では、
✅ 夜間に痛みが強くなる理由
✅ 放っておくとどうなるのか?
✅ 病院に行くべきサインとは?
✅ 整体師がすすめる対処法・ケア法
✅ 痛みを予防・緩和する日常生活のヒント
を丁寧にご紹介します。

眠れない夜に苦しむあなたのために、整体師の視点から少しでも役立つ情報をお届けします。

第1章:五十肩とは?夜中に痛むのはなぜ?

五十肩の正体とは

五十肩は医学的には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、肩の関節を構成する筋肉や靭帯、関節包(関節を覆う膜)が炎症を起こすことで、

・痛み

・可動域の制限(動かしにくい)

・筋力の低下

などが起こる状態です。

特に多いのが「腕が上がらない」「後ろに手が回らない」「服の袖に手が通らない」といった動作制限です。

 

なぜ夜に痛みが強くなるのか?

夜間に痛みが強まる主な理由は以下の通りです。

①血流の低下

夜間は副交感神経が優位になり、体温も下がります。これにより肩周辺の血流が悪くなり、炎症物質が滞留しやすくなります。炎症がある場所では血流低下が痛みを悪化させる原因になるのです。

②寝る姿勢の影響

仰向けや横向きなどの寝姿勢が、無意識に炎症部位を圧迫しやすくなります。痛みを避けようと力が入ってしまうことも、筋肉の緊張→痛みを引き起こします。

③動かさないことで関節が固まる

日中に動かすことで保たれていた柔軟性も、寝ている間の無動作で肩関節がこわばりやすくなり、疼痛を引き起こしやすくなります。

第2章:夜間痛は放っておくとどうなる?

「どうせ年齢のせいだから」「そのうち治るだろう」と我慢して放置する方もいますが、実はそれ、とても危険です。

拘縮(こうしゅく)のリスク

炎症が長引くと、関節の周囲が硬くなり「関節拘縮(かんせつこうしゅく)」を起こします。こうなると日常生活の動作すら困難になり、回復まで1〜2年かかることも。

肩以外への負担

痛む方の肩をかばうことで、首・背中・反対側の肩・腰などに無理な負担がかかり、二次的な不調(肩こり・腰痛・頭痛など)を招くこともあります。

睡眠不足による自律神経の乱れ

慢性的な寝不足は、身体の回復力や免疫力を低下させ、自律神経も乱します。結果として痛みの悪化や、メンタルの不調(イライラ・不安感)にもつながります。

第3章:整体師が教える!夜間痛への対処法3選

整体師として多くの患者さんを見てきた経験から、夜間の疼くような痛みを和らげるための実践的な対処法をご紹介します。

①寝る前に“温めケア”を

ホットタオルや温熱シートを使って、肩周囲をじんわり温めることで血流が良くなり、痛みが和らぎます。特に入浴後、寝る直前の10〜15分が効果的。

🔹おすすめ:

・レンジで温めるホットパック

・電気毛布などを肩を覆うように包む

・蒸しタオルをビニールに入れて肩に当てる

②寝る姿勢を工夫する

肩を圧迫しないように、以下の工夫をしてみましょう。

・仰向け寝+バスタオルで腕を支える

・横向きなら、痛い側を上にし、抱き枕を使う

痛み側の肩が下になる場合はタオルで支えるクッションを作る

寝返りで痛みが出やすい人は、体の左右にクッションを置くと動きが制限されて痛み予防になります。

③整体による血流改善・可動域サポート

五十肩の炎症期が落ち着いてきたら、整体によるアプローチも非常に効果的です。痛みを悪化させずに、関節の可動域や筋肉バランスを整え、回復を早めます。

第4章:病院に行くべきタイミングとは?

夜間痛があるときでも、次のような症状がある場合は、整形外科を早めに受診してください。

・じっとしていても激しくズキズキする

・夜だけでなく日中も強い痛みが続く

・熱感や腫れが強く、炎症が明らか

・肩以外にも腕〜手までしびれがある

・寝返りだけで激痛が走る

MRIやレントゲンによる精密検査で、腱板損傷や石灰沈着性腱板炎など、五十肩以外の病気が見つかることもあります。

第5章:再発防止!日常でできる予防習慣5つ

夜間痛が落ち着いたら、再発を防ぐための体づくりが大切です。

①肩甲骨をよく動かす

肩だけでなく、肩甲骨の柔軟性を保つことが予防につながります。
→ 肩甲骨回し・タオル体操などが効果的

②冷え対策を意識する

冷房・冷風・寒暖差が肩関節の血流低下を招きやすいので、ストールやカーディガンでの冷え防止を。

③猫背・巻き肩を見直す

姿勢の崩れは肩関節への負担を増加させます。座り方・立ち姿勢を正すことで、痛みの予防にもつながります。

④肩の使いすぎを避ける

荷物を片側で持ち続けたり、無理な高所作業などは避けましょう。日常の中で肩の左右バランスを意識してください。

⑤睡眠環境の見直し

枕が高すぎたり、寝具が硬すぎると肩に負担がかかります。自分に合った寝具を選ぶことが大切です。

まとめ:夜間の五十肩は「我慢しない」「整える」が大切

夜中の五十肩による疼く痛みは、想像以上に心身を疲弊させます。

けれど、原因を理解し、正しくケアしていくことで「ぐっすり眠れる夜」を取り戻すことは可能です。

✅温める
✅姿勢を整える
✅適切に動かす
✅必要なら医療・整体を頼る

大切なのは、「そのうち治るだろう」と我慢せず、体の声に耳を傾け、今できることから始めることです。

参考文献

・日本整形外科学会「肩関節周囲炎の診療ガイドライン」

・厚生労働省e-ヘルスネット「五十肩」

・運動療法の手引き(日本運動器科学会)

・筋骨格系疼痛管理とリハビリ実践(理学療法士向け資料)

てて整体所